早速作戦会議&偵察を行う忍術学園一同。
兵庫水軍の皆さんも早速海戦の作法を実地で教える機会が巡ってきて張り切っておりますw
忍術学園は前線基地と化していた。職員室には誰かしらが常駐して、常に最新情報を仕入れるように態勢を整えていた。
「24時間交代制で巡回を行うこととする。また、何かあっても対処できるよう常にツーマンセルでの行動を命ずる!」
『はっ!!』
さて新平は建家とペアを組んで巡回に当たったが、ファルコンを肩に乗せて辺りに目を光らせていると、不意に植え込みの中に蠢く不審な影を見つけた。
「んっ!?…あれ、明らかに怪しいよな」
「ああ、確かに怪しい…やるしかないな、これは!」
「ああ!ファルコン、行け!」
「ぴぃっ!」
ファルコンは一直線に、植え込みの中の影に突っ込んでいった。刹那、「ぎゃぁぁぁぁぁ;;;」と悲鳴があがる。
「!この声、聞き覚えがあるぞ!」
「誰だ!?」
「…関わりたくないあいつだ…;;;」
げんなり顔で返答する建家。それを聞いて、新平はピンときた。
「関わりたくねぇあいつ、って、もしかして戸部先生を勝手に宿敵扱いしてる…」
「そうだ、あいつだ…俺もターゲットにされちまって、ほんとに辟易としてる…;」
「ははは…おめぇが腕の立つ剣豪だっていう(有難くねぇけど)名誉の証だよ(^_^;)」
「そんな名誉の証なんかいらん!;;」
やがてファルコンに突かれながら、その影がよたよたと植え込みから現れ、二人の前で無様に倒れた。
「…まったく、誰かと思ったらお前か、花房牧之介…;;;」
「ったく、話には聞いてたがほんっとに害虫みてぇな奴だな!このややこしい時に余計事態をややこしくしやがって…!」
招かれざる闖入者に、新平も建家も苦虫を噛み潰したような顔をしていた。「た、頼む、飯…飯をくれ…;;;」と懇願する牧之介に、「てめぇのような食い意地だけは一丁前のへっぽこ侍に食わせる飯はねぇよ!!」と新平が一刀両断した。
「そ、そんなぁ~;;;俺家賃滞納してて家追い出されて、ろくに食事もしてないんだよ~;;;」
「だったらまともに仕事したらどうだ!」
「俺は剣術で食べていくと決めたんだ~;;;」
「アホかっ!俺は剣豪であると同時に実家の道場で剣術教室の講師をやってるんだ!ちゃんと別の仕事もしてるんだよ!」
「俺も忍者である傍ら教師やってんだ!大体忍者って世を忍ぶ仮の姿として2足の草鞋を履くもんだぞ!」
「だって俺忍者じゃなくて剣豪だし~;;;」
「屁理屈捏ねるのも大概にしろ!ファルコン、このゴミ虫を摘み出せ!」
「ぴぃ!」
ファルコンは両脚と嘴で牧之介を摘み上げ、多少よたよたとしながらも塀の外まで飛んで行ってそこに牧之介をぽいっ、と捨ててきた。随分怪力だなと思われるがそこは漫画的誇張表現ということで大目に見てほしい。
「よしよし、あんな雑菌の塊なんか口に入れたら腹壊しちゃうからな~」
やれやれと溜め息をつく建家の隣で、新平はファルコンの嘴と鉤爪を丁寧に消毒してやった。「それ、孫兵もじゅん子にやってたよな…;」と建家が呟くと、「愛する家族だからしゃぁねぇだろ」と新平が事も無げに返答した。
一方1年担任軍団と保健委員は保健室に詰めていた。やはり救護所は必須ということらしい。
「ここを詰所にしよう。保健委員の皆、資材の備蓄を増やすため、包帯作るの手伝ってくれないかな」
『分かりましたー!』
嬉々として包帯巻き器に細長く裂いた布をセットし、巻いていく保健委員一同。伊作は「ほら、皆も」と他の1年担任軍団にも包帯巻き器と包帯用の布を手渡した。
「あの運動会の時以来だな」としみじみ呟く留三郎。「あの時は結局共倒れだったが、今回は負けねぇぞ!」と文次郎がいきり立つww
「私はあの時参加していなかったからな。存分に巻かせてもらおう」
仙蔵も少々興奮気味に包帯を巻き始める。「小平太、壊すなよ」「うん!」と、ろ組担任二人も和気藹々と包帯を巻いている。
「竜馬と佳音は超能力を使って一度に沢山包帯が巻けるね…(笑)」
やがて大量の包帯を巻き終え、今度は薬を調合する。と、そこに土井先生が来た。
「伊作、ちょっと乱太郎を借りるぞ」
「え?はい…何の用だろう」
「さあ…ちょっと行ってきます」
頭上に「?」を浮かべながら、乱太郎は土井先生についていった。暫しの後、興奮気味に保健室に戻って来る足音が聞こえてきて、刹那障子がすぱんっ!と開き、そこには満面のニタニタ笑いを浮かべている乱太郎の姿があった。
「うふふふふふ…土井先生が凄い作戦考え付いたんだwww私その仕掛け人に抜擢されちゃったのwww」
『マジ(です)かー!?www』
それを聞いて一気に沸き立つ一同。果たして、土井先生の提案した作戦とは一体…?